造作用集成材
ひき板(ラミナ)を素地のまま集成接着し、素地のもつ美観をそのまま「あらわし」にしたもの。または、これらの表面にみぞ切り等の加工を施したもので、主として構造物等の内部造作に用いられます。
製品例
●階段材、壁面材、カウンター材、床材、フリー板材など。
●豊富な品種と色柄を用意し、特殊なサイズ・形状にも対応。
●住宅の造作用、家具用など幅広い用途に用いられます。
集成材家具のメリットとデメリットを徹底解説
スマホスタンドクリエーター pino工房です。
スマートデバイスと自然素材(木)を組み合わせたライフスタイルを実践しているpino工房ですが、コンセプトは、ハイテクノロジーデバイス(スマートフォン)と自然素材(木)との調和、融合、共鳴です。
現代における最新鋭のデバイスさえも、人間と同様に自然素材(木)によって癒されると考えています。
そんなわけで、スマホが癒される木の温もりのスマホスタンドを手作りしていますが、スタンドの材質はパイン集成材です。
なので今回は、集成材家具の特性とその利点・欠点について考えてみます。
集成材とは、木材を加工して接合した素材であり、その製造方法を理解すると、家具選びの視点が広がります。
多くの人々が木材家具を選ぶ際、コストやデザインの自由度、さらに環境への配慮などを重視しますよね。
集成材はこれらの点で多くのメリットを持っています。
しかし、その一方で耐久性や湿気、温度変化への影響といったデメリットもあります。
集成材家具の包括的な知識を得られるだけでなく、将来の家具購入に役立つ実践的かつ賢明な家具選択の参考になればと思います。
集成材とは何か
集成材とは、複数の木材を接着剤で接合して形成される人造の木材です。
集成材(しゅうせいざい)とは、天然木から切り出した板や小角材を乾燥させ、接着剤で結合させて作られる木質建材です。エンジニアリングウッドとも呼ばれます。
板状や角材状に加工されることが一般的で、サイズや形状の自由度が高いことが特徴です。
集成材は、強度や耐久性を高めるために、木目を交互に配置して接着しています。
その結果、均一な強度特性を持ち、建築や家具製作など多岐にわたる用途に使用されているのです。
集成材の特徴と製造方法
集成材の特徴には、均一な品質、加工のしやすさ、そして豊富な選択肢が挙げられます。
製造方法においては、まず木材を細かい板に切断することから始まります。
そして、選ばれた板は、その強度や外観などを考慮して適切な組み合わせを行います。
次に、強度を最適化するために、木目を交差させて配置し、接着剤を塗布した後に高圧プレス機で圧縮します。
このプロセスにより、集成材はどの方向からの力にも均等に耐えることができ、ひずみや反りが少ない製品となります。
また、集成材は無垢材と比べて、節や割れのない均一な表面を得やすく、外観上のメリットも大きいです。
集成材の種類と用途
構造用集成材
所要の耐力を目的として等級区分したひき板(ラミナ)を集成接着したものであって、所要の耐力に応じた断面の大きさと安定した強度性能を持ち、大スパンの建築物の建設も可能です。
寸法、断面積によって大断面、中断面、小断面に分類されています。木質構造の耐力部材として柱、梁、桁などに使用されます。
化粧ばり構造用集成柱とともに国土交通省告示に基づいて材料強度が定められています。製品例
●中断面、小断面集成材は、主に木造住宅の柱、梁、桁など、構造物の耐力部材として広く使用されています。
●大断面集成材は、体育館、学校、集会施設、事務所、寺院、教会等の大型木造施設など、優れた強度性能、耐火性能、耐久性等を求められる建物に欠かせない材料となっています。
集成材の種類と特徴
大きく針葉樹と広葉樹に分けられ、針葉樹は軽くて軟らかく、広葉樹は重くて堅い特徴があります。
針葉樹の集成材で主な取り扱い樹種としては、以下のような樹種があります。
広葉樹の集成材で主な取り扱い樹種としては、以下のような樹種があります。
集成材と無垢材の違い
集成材と無垢材の大きな違いは、構成と製造プロセスです。
無垢材は一つの木から切り出されたものであり、本来の木の個性や質感をそのまま味わえるのが利点です。
しかし、無垢材は扱いが難しく、乾燥による収縮やひび割れが生じやすいデメリットがあります。
一方、集成材はこれらの無垢材の欠点を補うために設計されています。
接着技術による均一な構造で、ひび割れや反りを減少させ、安定した材質を実現しています。
そのため、設計の自由度が高く、大型構造物や家具など幅広い分野での使用が可能です。
無垢材の自然な美しさと比べれば、製品によっては人工的な印象を受けることがありますが、デザイン面での可能性が広がるため、近年では特に注目されています。
集成材家具のメリット
集成材家具は木材を板状に接着し、一体化した素材を使用するため、魅力的な特性が数多くあります。
この素材は、製品の性能やデザイン性を維持しながらも、コストパフォーマンスに優れた製品を提供することが可能です。
以下に、集成材家具の具体的なメリットについて探っていきます。
コストパフォーマンス
集成材家具が特に注目される理由の一つに優れたコストパフォーマンスがあります。
無垢材家具と比べ、集成材は木材の使用効率を高めることができるため、原材料コストが抑えられます。
木材の小さな部品や端材を集めて再利用することで無駄を省き、競争力のある価格設定を可能にしています。
このような生産方式は、購入者にとっても価格面でメリットとなり、手頃な価格で品質を落とさずに家具を入手することができるのです。
このような点からpino工房のスマホスタンドも集成材を材料としています。
デザインと加工の柔軟性
もう一つの大きな利点として、デザインと加工の柔軟性があります。集成材は製造過程で様々な形状や大きさに成形できるため、多様なデザインの家具が作りやすいのが特徴です。
例えば、曲線を多く取り入れたモダンなデザインや、様々な機能を兼ね備えた多目的家具など、集成材ならではのアイディアが活かされています。
また、集成材は加工がしやすく、必要に応じて簡単に修正や追加作業ができるため、デザイナーは自由な発想で家具を生産することが可能です。
環境への配慮
環境への配慮も集成材家具の大きなポイントです。
持続可能な森林管理の元で生産された木材を使用するケースが多く、
資源の有効利用が促進されています。
再生可能な木材を材料としつつも、小さな残材や端材を再利用して集成材にすることで、木材廃棄の削減につながります。
さらに、集成材を用いることで重さが軽減でき、輸送の際のエネルギー消費を削減するなど、実用面での環境負荷も削減されています。
このように集成材家具は、消費者にエコフレンドリーな選択肢を提供し、持続可能な住環境をサポートしています。
集成材家具のデメリット
集成材は、木材を接着剤で貼り合わせて作られる製品であり、その特性からさまざまな用途に利用されています。
しかし、集成材家具にはいくつかのデメリットも存在します。
ここでは、集成材家具のデメリットについて、特にその耐久性や湿気、温度変化への影響、そして長期間の使用に伴う変化について詳しく見ていきます。
耐久性の課題
まず、集成材の耐久性についてですが、これにはいくつかの問題があります。集成材は接着剤で木片を結合することで作られるため、無垢材ほどの強度を持たないことが一般的です。
特に、負荷がかかる部分では接合部が弱点となることがあり、長期間の使用で剥離や割れが生じるリスクがあります。
例えば、集成材を用いたテーブルや椅子では、使用頻度が高い場合、
接合部からの摩耗が進行することがあります。
これにより、家具全体の安定性や強度が低下しやすいのです。
湿気と温度変化への影響
集成材家具は湿気や温度変化に対して、無垢材よりも影響を受けやすいという特性があります。
これは、集成材が複数の層を接着して作られるため、湿度が高くなると接着剤が劣化しやすくなるためです。
さらに、温度の変化に伴い、集成材内部で膨張や収縮が不均一に生じ、接着層が剥離することがあります。
その結果、家具が歪んだり、収縮によって亀裂が入ることもあるでしょう。
特に湿度の高い地域や温度変化の激しい環境では、集成材家具の劣化が早まる可能性があります。
長期間の使用に伴う変化
時間の経過とともに、集成材家具はその外観や構造に変化をもたらすことがあります。
使用による摩耗だけでなく、紫外線の影響によって色あせたり、表面の艶が失われることも少なくありません。
加えて、長期間の使用では、木材自体の劣化により、たわみや変形が生じる場合があります。
特に、日光に長時間さらされる場所に設置した場合や、頻繁な使用による物理的な負荷によって、集成材家具の外観や機能性が損なわれるリスクがあります。
関連情報
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